南部箪笥の製造工程

製造工程 全体寸法の選択
木材、木取り

■木材選び、木取り
使用する木材は欅、桐、タモ、栓、楢、栃、栗などの優良原木材です(一部、突き板材料を使用。)。これらを職人の確かな目で厳選し、数十年寝かせ、自然乾燥をさせます(これにより箪笥を製作した後の狂いなどが少なくなります)。この材料から各部材を無駄なく、かつ、木目の美しい仕上がりをイメージして「木取り」をしていきます。

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伝統指物技術による加工、組立て
加工、組立

■加工、組立て
木を知り尽くした職人が、木取りした部材を木地加工・組立てを手作りで行っていきます。組立てには日本古来の伝統指物技術である「蟻組み継ぎ」「臍組み」「チギリ連結」「楔連結」等を随所に使い作りあげていきます。

カンナ

■調整
職人の確かな目と技術により抽斗(ひきだし)を狂いなく本体に収めるよう鉋(カンナ)で何度も仕上げ、差込みます。この工程が職人による腕の見せ所です。

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塗り
塗り

■塗装
箪笥の表面に塗る「漆」は、美しい外観・耐久性をもたらします。経年変化により透明感が増し、木目の美しさが一層際立ちます。塗りの種類は「摺り漆塗」、「石目漆塗」、「木地呂漆塗」、「津軽塗」などがございます。

塗り

<摺り漆塗>
生漆(採漆したままのキウルシ)を木ベラで木地に摺り込み、和紙で拭き上げた後に漆風呂(湿度80%、温度20度の部屋)で乾燥させる。この行程を6回〜8回繰り返します。最も基本的な漆芸のひとつです。

<石目漆塗>
下塗り後の平滑な面に、もみ殻を炭化し微細な粉末とした炭粉を蒔きます。十分に漆を染み込ませ強靭な塗り肌を作り、研磨します。余分な炭粉を掃い取り、6回〜8回摺り漆を行います。特殊な技法で日本刀のサヤなどに好んで用いられた技法です。

<木地呂漆塗>
生漆を精製水分除去した漆(呂漆・木地呂漆ともいう)に、塗り・乾燥・磨きを数十回繰り返し、鏡面肌を作ります。最も熟練と技を必要とする漆芸です。

津軽塗

<津軽塗>
経済産業大臣指定伝統工芸士 黒滝茂美氏への委託により行います。津軽塗は、塗りの柄として代表的な唐塗、七々子塗、変り塗、錦塗、紋紗塗、これらを基に作られています。

全ての技法が漆を数十回塗り重ねて研磨仕上げを施す、三百年以上も変わることなく受け継がれてきた伝統技術です。
故に津軽塗は「模様」であり。「塗り」であり。塗装した上に模様を描くものとは違い、津軽塗は底から発する奥行きがあり、木地へへばりついた力強さがあります。
詳しい津軽塗の工程については下記をご覧ください。
>>>青森県漆器協同組合連合会ホームページ

<塗り見本>

摺り漆塗り
石目漆塗り
津軽塗り

クリックすると大きな画像が開きます。
木地呂漆塗りも摺り漆と同様の色合いになりますが鏡面仕上げとなります。

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金具
銅板手打ち彫金金具

<南部鉄鋳物金具>
南部箪笥の代表的な金具には、伝統工芸品の南部鉄器と同様の素材で鋳造した重硬感ある「鋳物金具」があります。デザインは葉付五三桐や船金具を使用しております。

<手打ち彫金金具(鉄板、銅板)>
南部箪笥の金具にはもうひとつ、一枚の鉄板・銅板に下絵を描くことから始まり、彫りと打ち出しを繰り返し、職人の手打ち作業により、一枚一枚丹念に仕上げられた「手打ち彫金金具」があります。

彫金技術は絵画と同様にデッサン力が不可欠で絵筆の代わりに「鏨(たがね)」を、キャンバスの代わりに「鉄板や銅板」を用いて、造形する美術工芸の世界です。仕上がりは大胆かつ繊細で、見るものを惹きつけます。

デザインは五三桐、牡丹、唐獅子、龍など様々な模様を作ることができます、お客様のご希望があれば家紋を彫り込んで作ることができます。モダン和風にアレンジを加えたシンプルな金具デザインがあるのも南部箪笥の特徴のひとつです。

銅板手打ち彫金金具

<銅板手打ち彫金金具>
絵模様を仕上げるところまでは鉄板と同様ですが、最後の表面処理にひと手間加えます。特殊な液剤で銅を酸化させ独特な色合いを出します。その後、模様の凹凸を熟練の目で見極め部分的に磨き上げをし、銅本来の色合いを浮き上がらせます。最後に錆止めコーティングを施し、品のある輝きを出します。銅板手打ち彫金金具は、摺り漆塗をした本体の色合いと調和し、高級感を醸し出し最も上質な仕上がりになります。

<金具の素材および色の見本>

南部鉄

彫金金具(鉄)

彫金金具(鉄)

彫金金具(銅)

クリックすると大きな画像がひらきます。
飾り金具のデザインは数十種類ご用意しております。

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検品、焼印
焼印

全ての製作が完了したら、綿密な検査を行います。南部箪笥はノークレームを目指し検査に一層の労力を費やします。検査に合格し、職人の魂が抽入された箪笥にはその証として南部箪笥のロゴの入った「焼印」を刻み込みます。

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完成
完成

■お取り扱い方法
製品を安全にご使用いただくため、「使用上の注意」をよくお読みいただきお手元に保管ください。
「使用上の注意」および修理・交換などメンテナンスに関する相談、お問い合わせ、また製品に関するご意見などは、下記窓口にて承ります。

>>>「使用上の注意」ダウンロード
※PDFファイルが開きます。

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